五条悟の虚式・紫（茈）は何話で登場？アニメ20話と28話の違いを徹底比較！

呪術廻戦の中でも屈指の破壊力とインパクトを持つ技「虚式・茈（むらさき）」は、五条悟の代名詞ともいえる術式です。

アニメでは複数回この技が登場しており、演出や使われた状況も異なります。

本記事では「紫（茈）」がアニメで初めて登場した話数を明確に解説しつつ、20話と28話における使われ方や演出の違いを比較していきます。

さらに、原作との対応関係や技術的な意味にも触れながら、視聴者の印象に残るこの大技の全貌を読み解きます。

五条悟の紫がアニメで初登場したのは何話か

五条悟が使用する「虚式・茈」がアニメで初めて披露されたのは、第1期の第20話です。

呪術高専の生徒たちが特級呪霊・花御と交戦している最中に、五条が現れ、圧倒的な火力で状況を一変させました。

このときに放たれたのが、「紫（茈）」の初披露シーンです。

アニメ第20話で花御との戦いに使用

第20話「規格外」では、京都姉妹校交流会中に現れた花御と高専生たちの戦いに、五条悟が参戦します。

彼はまず「蒼（引き寄せ）」を放ち、その後「赫（押し出し）」を展開したうえで、最終的に「蒼」と「赫」を同時に発動することで虚式「茈」を成立させました。

この「虚式」という分類は、通常の無下限術式に存在しない“合成技”であり、五条だけが使用可能な応用技術です。

花御の硬化能力や自然由来の呪力量を一撃で消し飛ばすには、通常攻撃では対応できず、最上級の呪力総量と制御を持つ五条にしか成し得ない選択でした。

技の発動直前には空間が歪むようなエフェクトが挿入されており、紫の軌道は直線的に進み、視覚的にも破壊の象徴となるシーンとして描かれました。

この紫の発動は、アニメで初めて「虚式・茈」という名称が公式に描かれた瞬間であり、多くの視聴者に衝撃を与えた名場面です。

原作では第6巻45話に該当

このアニメ20話のエピソードは、原作コミックス第6巻の第45話に相当します。

原作でも同様に、五条が花御に対して「蒼」「赫」「茈」を順に使用しており、アニメ版と大きな違いはありません。

原作とアニメの構成対応を把握することで、展開の流れがより理解しやすくなります。

アニメと原作の紫登場話数の対応

媒体	登場話数
アニメ（第1期）	第20話「規格外」
原作コミックス	第6巻 第45話「時間」

再登場はアニメ第28話の甚爾戦後

「虚式・茈」はアニメ第28話において再び登場し、視聴者に強烈な印象を残しました。

この回は、五条悟が過去最大の精神的変化を迎えた直後の場面であり、紫の再使用には重大な意味が込められています。

ただの技としてではなく、五条という存在の“覚醒”と“決意”を象徴する演出として描かれていました。

覚醒後に放たれた紫の意味

第28話は「懐玉・肆」として放送され、天内理子の死という衝撃的な事件を経て、五条悟が「最強」として覚醒する瞬間が描かれます。

この覚醒状態において五条は、無下限呪術の「蒼」「赫」を自在に扱える領域に到達し、感情や理性を凌駕した“理論と実行の一致”を示します。

その象徴が、「虚式・茈」の再使用です。

彼が紫を放ったのは、伏黒甚爾との激戦後であり、既に勝敗が決した後の追撃ではなく、“技術の完成と意志の放出”としての意味合いが強い場面でした。

この描写では、呪力の流れ、空間の歪み、音響効果などが前回（第20話）よりも繊細に作り込まれています。

単なる必殺技ではなく、五条悟というキャラクターの精神的変化と戦術的成長を伝える表現手段として活用されていました。

また、技の安定性にも違いが見られます。

20話では紫を放つ際に一定の演出的“溜め”がありましたが、28話では発動の構えから射出までが極めてスムーズで、術式制御に対する五条の習熟度の向上が描写上からも明らかです。

これは、反転術式や領域展開を使いこなす「完全覚醒状態」に至ったことで、紫の出力と制御が同時に洗練されたことを示しています。

対象となった敵も特級クラスではなく、星漿体抹殺任務に関与した残党であると読み取れます。

彼らが戦闘の脅威というより、「処理対象」であることからも、紫を用いた理由は“力の証明”あるいは“無慈悲な決別”である可能性が高いです。

演出的にも紫が炸裂する瞬間、色彩は冷たく、効果音も重低音に寄せられており、初披露時（第20話）よりも“感情が削ぎ落とされた”印象を与えます。

原作では第9巻75話付近に対応

このアニメ第28話の展開は、原作コミックス第9巻の第75話およびその前後に該当します。

原作では、甚爾戦後に五条がひとり空を見上げ、「まだ彼女を殺した感覚が残っている」と述べるシーンが印象的です。

その後、反転術式を自在に使える状態に至った五条が、敵残党に対して「茈」を使用する描写が続きます。

この一連の流れにおける「茈」は、技術的完成よりも精神的解放に近く、五条悟のキャラ変遷を深く印象づける役割を持っています。

以下に、アニメと原作での対応関係を簡潔に整理しました。

アニメ28話と原作の対応関係

媒体	該当話数／巻数
アニメ（第2期）	第28話「懐玉・肆」
原作コミックス	第9巻 第75話付近

アニメ20話と28話の紫の違い

アニメで2度描かれた「虚式・茈」は、どちらも圧倒的な演出と破壊力を持つ技として描かれています。

しかし、実際には使用された場面の状況や五条悟の精神状態、そして戦術的な意味合いは大きく異なっています。

この章では、それぞれの紫が持つ意味と演出の違いを丁寧に比較していきます。

使用目的と敵キャラとの関係性

第20話において五条悟が紫を放った相手は、自然由来の呪力を操る特級呪霊・花御です。

彼の持つ極端な防御力と呪力硬化を打ち破るには、通常の術式では効果が薄く、紫のような“極大術式”が必要不可欠でした。

このため、五条は戦術的に「蒼→赫→紫」の順で段階的に構築し、一撃で相手を消し飛ばす判断を下しました。

一方で第28話では、戦うべき“強敵”は既に倒れており、紫が使われたのは伏黒甚爾戦の直後です。

この場面では、五条が戦闘の場にいた残党（呪術テロ実行部隊）に対して紫を放ちました。

単なる敵殲滅というよりも、「覚醒者としての威圧」と「決別の意志」の象徴として使われたことがわかります。

加えて、28話では紫を放つまでの構築手順がほぼ省略されています。

これは省略ではなく、「蒼」「赫」をもはや“明示的に展開する必要がないほどに術式が洗練された」ことを示している可能性があります。

20話は技術の実演、28話は技の完成の表現と考えると、より納得できます。

演出と視覚効果の差異

20話での紫の演出は、直線的な破壊光線のようなビジュアルで、広範囲に呪力が波及するような表現が特徴でした。

紫が花御を貫くシーンでは、空間が裂けるような効果音と共に視界が白飛びし、“力の質量”が強調された構図になっていました。

また、背景や音楽も高揚感を誘う構成で、初披露として視覚的にも最大限に引き立てられています。

対して28話では、紫が放たれる場面においてBGMは抑制され、五条の“覚醒した冷静さ”を感じさせる無音演出が印象的でした。

色調は寒色が中心で、紫の軌道は20話よりも短く、集中しているように描かれています。

この変化は、視聴者に「同じ技でも“意味”が違う」ことを明確に伝える狙いがあると考えられます。

演出面でも、20話はスピード感と破壊力を重視した「動の表現」、28話は静謐で象徴的な「静の演出」が意図されています。

監督や演出家の構成意図を踏まえても、28話の茈は単なる技術ではなく「呪術の在り方」そのものを問いかける描写として成立しています。

アニメ20話と28話における虚式・茈の違い比較

要素	第20話	第28話
対象	特級呪霊・花御	呪術組織残党
使用目的	敵の撃破（戦術的）	威圧と象徴（心理的）
演出効果	爆発的、光と音が強調	抑制的、冷静で静的
術式構築	蒼→赫→紫を明示	構築順を省略（制御完成）
技の印象	力の爆発	意志の発露

紫の構造と技術的背景

「虚式・茈（むらさき）」は、無下限呪術を極限まで応用した合成術式です。

作中でも特に解説が少ない一方で、術式理論に基づいた構造を理解することで、なぜこの技が五条悟にしか使えないのかが明らかになります。

この章では、茈の仕組みと成立条件、そして五条悟固有の適性について詳しく見ていきます。

蒼と赫の融合による虚式の成立

五条悟が扱う「無下限呪術」は、本来は空間に“無限”を持ち込む術式であり、物体の接触速度を極限まで遅くする能力を有します。

この術式には応用技として、「蒼（あお）」＝引き寄せ、「赫（あか）」＝押し出しという2つの反対ベクトルを持つ術式があります。

蒼は対象を吸引し、赫は対象を反発させる力であり、どちらも単独で強力な術ですが、茈はこれらを“同時に衝突・融合させることで空間を破壊する”術式です。

つまり、「正と負の無下限術式を同時に成立させ、虚数次元で合成することによって茈は成立する」という理論が裏にあります。

このプロセスは物理的にも概念的にも非常に高難度であり、術式の制御だけでなく、呪力の同時演算処理、反転術式の理解が必須となります。

そのため茈は通常の術師では到底再現できない“理論上の禁術”として扱われているのです。

ここで重要なのが、「赫」は反転術式によって生み出される特殊な呪力であるという点です。

「蒼」は無下限の基礎応用であり自然派生的に生み出せますが、「赫」は正の呪力を反転させる高度な処理を必要とします。

そのため、茈の使用には“反転術式の理解と応用能力”も必須であり、これが術師にとっての大きな壁となります。

また、「虚式」という名称に関しては、術式として「蒼」「赫」といった“実体ある応用”とは異なり、両者の合成によって初めて成立する“本来存在しない新術式”であることから「虚式」と呼ばれていると考察されます。

言い換えれば、既存体系に存在しないが、理論上は成立可能な“虚数術式”を現実化させた、唯一の完成例です。

なぜ茈は五条悟しか使えないのか

茈の使用には複数の特殊条件が重なっています。

最大の要素は、「六眼」と「無下限呪術」の両方を同時に持つ者でなければ成立しないという点です。

六眼とは、呪力の構造を高精度で視認・演算・制御できる能力であり、五条家でも数百年に一度しか現れない特異体質です。

無下限呪術単体では「蒼」や「赫」は扱えても、両者を同時に安定化し、合成させるには常時ミクロ制御が求められます。

この精密な処理を可能にするのが「六眼」であり、だからこそ五条悟だけが茈を完成させることができたのです。

茈は呪力量の消耗も非常に激しく、術式反転による呪力変換と同時に、「正と負の呪力の干渉を制御」し続けなければなりません。

このため、茈の発動は精神的にも肉体的にも大きな負荷がかかり、実戦で自在に使える術師は歴代でも五条ただ一人です。

茈は「理論上の存在」であったものを、五条悟が“現実に落とし込んだ唯一の存在”として描かれていることがわかります。

五条悟の紫が持つ戦術的意義

虚式・茈は単なる高威力技ではなく、呪術戦における位置づけ、心理戦、戦略構築においても極めて重要な意味を持ちます。

この章では「紫」がどのような局面で選択され、なぜそのタイミングで使われたのかを整理することで、技の持つ本質を掘り下げていきます。

五条悟が最強である理由の一端は、この茈の“使い方”にこそ隠されています。

呪術戦における紫の立ち位置

茈は、呪術戦において「一撃で形勢を決定づけるフィニッシュブロー」としての役割を持ちます。

その性質上、対象に向けて撃った時点で命中すれば問答無用で消滅させるほどの破壊力を誇り、防御や領域展開すら貫通しかねない性能を持っています。

また、爆発型ではなく直線的・貫通型の高密度呪力ビームであるため、無駄が少なく、ターゲットを限定した「精密戦略型呪術」としても機能します。

さらに重要なのが、茈は術式展開中に「蒼」「赫」を段階的に準備しながら発動する構造のため、敵に対して“溜め”の時間が存在するということです。

これにより相手が警戒・対応行動をとるか、それでも打ち破られるかという「心理的プレッシャー」も演出でき、実戦では“牽制＋攻撃”の二重役割を果たします。

例えば20話の花御戦では、まず蒼で制圧、赫で反発し、最後に茈で仕留めるという3段構えの戦術が取られました。

これにより、茈は「局面を打開する爆撃」ではなく、事前準備・順序制御を要する高度戦略技術であると位置づけられます。

さらに興味深いのは、「紫を撃つ構え」そのものが敵に対して強力な抑止力を持つという点です。

敵は茈の予備動作を見た瞬間に“何かが起こる”と理解し、無意識に行動制限されるため、実際に放たれずとも優位性を取れる場合があります。

これは“最強”というブランドを最大限活用した「無言の制圧」でもあり、五条の戦術知能の高さを象徴しています。

紫が使われる場面に共通する条件とは

作中で茈が使用されたのは、第20話（花御戦）と第28話（甚爾戦後）という明確に限られた場面です。

これらに共通するのは、以下の3つの条件です。

• 極めて強大な敵、あるいは精神的覚悟が必要な局面であること
• 敵の通常手段では対処不能な耐久力や異能を持っていること
• 五条自身の精神的決断が“臨界点”に達したタイミングであること

このように紫は“切り札”であると同時に、五条にとって「覚悟を決めた証」でもあるのです。

また、呪力残量や術式制御にも大きな負荷がかかるため、連発には向かず、「一度しか使えない」ことを前提とした戦術設計が必要です。

さらに紫は強力すぎるがゆえに、“周囲への影響”を考慮しなければならないという点も重要です。

例えば味方が近くにいる場面や、市街地のような構造物が存在する環境では、誤爆による二次被害のリスクが非常に高く、慎重な判断が求められます。

このように、茈は単なる“最強技”ではなく、呪術戦において戦局・心理・術式負荷・環境の全てを考慮したうえで発動される「状況限定型の奥義」だといえます。

紫の登場回と状況の違いまとめ

虚式・茈は、単なる“派手な必殺技”ではなく、五条悟というキャラクターの成長・覚醒・戦術思考を象徴する重要な術式です。

アニメ第20話と第28話では、紫が放たれる目的・相手・構え・演出がすべて異なり、それぞれが異なる意味を持って描かれていました。

さらに術式構造としても、「蒼」と「赫」の融合という高度な呪力制御を必要とし、「六眼＋無下限呪術」を備えた五条だからこそ扱える究極技です。

使用された場面に共通するのは、“覚悟を決めた瞬間”と“状況を一変させる決断”です。

そのため、紫は呪術戦の中で非常に限定的かつ意味深に使用され、見る者に強烈な印象を与える「象徴技」として機能しています。

技そのものの派手さに目を奪われがちですが、術式の仕組みや発動の背景、キャラクターの心理的変化を理解すれば、茈の描写はより深く刺さります。

五条悟というキャラクターの本質や、呪術廻戦という作品の構造を読み解く鍵として、紫の存在は極めて重要な意味を持っているのです。

この機会に、アニメと原作をもう一度見返してみてください。

一撃の“技”に込められた、物語と感情のレイヤーにきっと気づけるはずです。