薬屋のひとりごと36話ネタバレ解説｜カエル事件＆牛黄に敗れた壬氏の恋

アニメ『薬屋のひとりごと』第36話では、壬氏と猫猫の関係における大きな転機が描かれました。

宦官ではないことを猫猫に知られてしまった壬氏。思い切って想いを伝えようとしたものの、それを邪魔したのはまさかの「牛黄」。

壬氏の恋はなぜ届かなかったのか。そして、暗殺未遂の裏に隠された事件の真相とは？この記事では「カエル事件」と「牛黄」がすべてを狂わせた夜の全貌を解き明かします。

カエル事件とは何だったのか

第36話で最もインパクトのあったのが、猫猫が洞窟の中で“あるもの”に触れてしまったことでした。

猫猫はそれを「カエル」と表現し、思わず壬氏の正体に気づいてしまいます。

このシーンはコミカルでありながら、二人の関係に大きな転機をもたらす重要な場面です。

宦官であるはずの壬氏に触れてしまった猫猫

刺客から逃れて洞窟へ避難した壬氏と猫猫は、体を寄せ合うほどの至近距離にいました。

その際、猫猫の手が偶然壬氏の身体のある部位に触れてしまいます。

宦官であれば存在しないはずの“それ”に触れたことで、猫猫は壬氏が宦官ではないことに気づくのです。

これは、壬氏の長年隠してきた秘密が、突発的な状況下で露呈した瞬間でもありました。

猫猫の「カエル」発言が壬氏に与えたダメージ

猫猫は動揺を隠すため、触れたものを「気持ち悪いカエル」と表現しました。

その例えは、壬氏にとってはあまりにもショッキングなものでした。

さらに猫猫は、カエルが「粘液を出す」という特徴を持ち出し、完全に冗談で受け流そうとします。

壬氏の真剣な感情と、猫猫の天然な対応がここで大きくすれ違うことになりました。

読者としては笑いつつも、壬氏の切なさが際立つ名シーンだと感じられるはずです。

壬氏の恋が牛黄に敗れた理由

壬氏は猫猫に本心を伝えようと、貴重な薬「牛黄」を贈ることで距離を縮めようとしました。

しかし彼の意図とは裏腹に、猫猫は牛黄に夢中になってしまい、恋の成就には至りませんでした。

ここでは、そんな切ないすれ違いの背景を3つの視点から見ていきます。

壬氏が用意した告白のきっかけが裏目に

滝壺での一件を経て、壬氏は猫猫に謝罪と告白をする決意を固めていました。

そのための手段として選んだのが、貴重な薬「牛黄」を贈ることでした。

壬氏にとっては精一杯の想いを込めた贈り物だったのですが、その思惑は思わぬ形で外れてしまいます。

猫猫が反応したのは壬氏の言葉ではなく牛黄

猫猫は牛黄を見るなり、目を輝かせてその薬の価値と効能に夢中になります。

壬氏の話には一切耳を貸さず、壬氏が語ろうとした本心は遮られてしまいました。

薬に対する情熱が恋心よりも勝っていた瞬間でした。

薬オタクとしての猫猫のスタンスは一貫していた

猫猫はこれまでも、どんな場面でも薬への興味が最優先でした。

そのスタンスは今回も変わらず、壬氏の思いは届くことなく終わってしまいます。

このすれ違いが36話最大の切なさを生んでいたのです。

暗殺未遂事件と飛発の謎を解き明かす

華やかに見える宴の裏では、壬氏の命を狙う刺客の影が静かに動いていました。

この事件は偶発的なものではなく、政治的思惑と猫猫たちの策略が複雑に交差していました。

ここからは、その事件の構造と解決のプロセスを追っていきます。

宴で行われていたのは皇弟への審査だった

壬氏が参加していた宴は、単なる社交の場ではありませんでした。

実際には、彼の政治的価値を測るための試練が仕組まれており、子一族の監視の目も光っていました。

この中で壬氏は猫猫を同伴させることで、誘惑に動じない姿を示していたのです。

飛発を使った犯行と猫猫の推理

事件現場には火薬の痕跡が残されており、猫猫は飛発（フェイファ）という火器の使用を見抜きます。

それは西域の技術で、精密な捜索が必要とされるものでした。

この時点で猫猫は、視覚よりも嗅覚に注目し始めます。

李白と馬閃が連携した逆転の罠

猫猫の指示で、犬の嗅覚を使って飛発の匂いを追跡する作戦が始まります。

李白と馬閃は協力して、犯人が仕掛けた武器の元へ誘導し、現行犯で拘束することに成功しました。

猫猫の鋭い観察力と冷静な判断力が光る展開でした。

華瑞月という真名が意味するもの

第36話のラストでは、壬氏の本名が「華瑞月」であることが明かされました。

これは単なる名前の暴露ではなく、物語の根幹に関わる重大な伏線の回収でもあります。

ここでは「華瑞月」という名が意味する背景と、それを背負う壬氏の運命について掘り下げていきます。

壬氏が背負う皇弟としての運命

華瑞月という名は、壬氏が現皇帝の弟であり、皇家の血を引く者であることを意味しています。

これは、ただの宦官という仮面の裏に隠された国家的な立場と責任を象徴しています。

正体が広く知られれば、権力争いに巻き込まれる可能性が高く、そのために彼はあえて宦官として生きる道を選んできたのです。

高順の視点から見る壬氏の孤独

壬氏の正体が語られる場面では、高順のセリフが非常に印象的でした。

「あなたはこの国の帝の弟君……華瑞月なのだから」という言葉には、壬氏の背負う運命の重さが込められています。

高順は誰よりも壬氏の事情を理解し、政治と私情の間で揺れる彼の孤独をそばで見てきた人物です。

壬氏の選んだ「宦官として生きる」選択は、国家の安定のために感情を抑えてきた結果でもありました。

恋と陰謀が交差した36話のまとめと今後の展開

第36話は、壬氏と猫猫の恋模様と、皇弟をめぐる政治的な陰謀が絶妙に交錯した回でした。

カエル事件と牛黄、刺客と飛発、そして壬氏の本名の暴露と、全ての要素が凝縮された“神回”とも言える展開でした。

ここでは、感情面と物語構造の両面からラストシーンを振り返りつつ、次回以降の注目ポイントを整理します。

猫猫の答えと壬氏の沈黙の意味

猫猫は壬氏の正体に気づいたにも関わらず、それを深く追求しようとはしませんでした。

彼女は「私にとって壬氏様は壬氏様」と口にし、地位や秘密よりも人としての関係を重視する姿勢を見せます。

しかしその直後に「タマがあるかないかなんて見るわけでもないし」と続けたことで、壬氏は強く動揺します。

猫猫の無自覚な発言が、壬氏の本気を空回りさせる結果となってしまったのです。

次回37話で明かされる伏線とは

36話の終盤では、皇弟である壬氏の存在を巡る勢力の動きや、高順の憂い顔が強調されていました。

これらは、第2クール以降の権力構図や壬氏の立場が一気に動き出す前兆でもあります。

また、李白・馬閃・子一族など周囲の人物の思惑にも新たな展開が期待されます。

37話では、壬氏が再び猫猫に本当の想いを伝えられるのか、それともまたすれ違いが続くのか、大きな注目ポイントとなるでしょう。