結論から言う。キングダム映画の最新作はシリーズ第5弾『キングダム 魂の決戦』、2026年7月17日(金)全国公開、上映時間134分、レーティングはG。描かれるのは原作屈指の人気エピソード「合従軍編」、つまり函谷関の攻防だ。
つまりこの記事が世に出ている今、もう公開初日。俺は前夜祭のIMAX一挙上映で魂を置いてきた側の人間なので、テンションが平常時に戻っていないことを先に謝罪しておく。
- キングダム映画の最新作はどれ?『魂の決戦』が第5弾
- キングダム映画の順番と興行収入は?全5作おさらい
- 『キングダム 魂の決戦』のあらすじは?合従軍(がっしょうぐん)とは何か
- 『魂の決戦』は原作どこまで?何巻相当かを整理する
- キャストは?続投12名+新キャスト20名を一覧で
- 主題歌は米津玄師「夜鷹」|曲がタイトルを変えた話
- IMAX・4DX・SCREENXどれで観るべき?上映方式まとめ
- 前売券・パンフレット・入場者特典はどうなってる?
- 公開までの情報解禁スケジュールは?約1年で15回超
- 前夜祭IMAX一挙上映に行ってきた(ネタバレなし)
- 見どころ・注目ポイントは?【筆者考察】
- まとめ:キングダム映画の最新作は2026年7月17日公開『魂の決戦』
- よくある質問
キングダム映画の最新作はどれ?『魂の決戦』が第5弾
キングダム映画の最新作=『キングダム 魂の決戦』。2026年7月17日(金)全国公開、上映時間134分、G。これが答えだ。
監督はシリーズ全作を手がけてきた佐藤信介さん。脚本は黒岩勉さんと、原作者の原泰久先生。音楽はやまだ豊さん。
配給は東宝とソニー・ピクチャーズ エンタテインメント、制作プロダクションはCREDEUS。主題歌は米津玄師さんの書き下ろし「夜鷹」だ。
そしてシリーズ5作目にして描かれるのは「合従軍編」。秦以外の全ての国――楚・趙・魏・韓・燕・斉が手を組み、総数50万で攻めてくるやつだ。
原作を読んでいる人なら「ついに来たか」となるところ。「最新作いつ?」で検索してきた人への回答は以上なので、あとは知りたいところだけ拾ってくれればいい。
キングダム映画の順番と興行収入は?全5作おさらい
先に結論。シリーズは全5作で、最新は5作目の『魂の決戦』。1作目から順に「キングダム」「2 遥かなる大地へ」「運命の炎」「大将軍の帰還」「魂の決戦」だ。
順番が頭に入りにくいの、めちゃくちゃ分かる。俺も一時期「運命の炎」と「遥かなる大地へ」がどっちが先か分からなくなって、友人に鼻で笑われた過去がある。
| 順番 | タイトル | 公開年 | 備考 |
|—|—|—|—|
| 1作目 | キングダム | 2019年 | 2019年 邦画実写No.1 |
| 2作目 | キングダム2 遥かなる大地へ | 2022年 | 2022年 邦画実写No.1 |
| 3作目 | キングダム 運命の炎 | 2023年 | 王騎vs.龐煖まで |
| 4作目 | キングダム 大将軍の帰還 | 2024年 | 2024年 邦画実写No.1 |
| 5作目(最新) | キングダム 魂の決戦 | 2026年7月17日 | 合従軍編/134分/G |
この4作でシリーズ累計動員1,734万人、興行収入245億円を突破している(公式発表の数字)。2019年・2022年・2024年には邦画実写No.1を獲得。数字だけ見てもバケモノなんだよな。
※各作品ごとの興収内訳は媒体によって表記が揺れる部分があるため、この記事ではシリーズ累計(1,734万人/245億円)のみを扱う。断定できないものを書き足すのは誠実じゃないので、そこは正直に言っておく。
前作『大将軍の帰還』からは2年空いた。この2年、俺はずっと「王騎将軍から矛を受け取った信が、次にどこで戦うのか」を待っていた。
矛を渡すシーンというのは、大沢たかおさん演じる王騎が信に自らの矛を託す、4作目のラストのことだ。そこから物語は3年後に飛ぶ。
つまり『魂の決戦』は、王騎の死から3年後の世界から始まる。 信は千人将にまで上がっている。シリーズを通して観てきた人へのご褒美みたいな設定で、個人的にはここだけで胸が熱くなる。
『キングダム 魂の決戦』のあらすじは?合従軍(がっしょうぐん)とは何か
要点はこれだ。趙の李牧の策で六国が同盟を組み、総数50万の合従軍が秦へ侵攻。信は蒙恬・王賁とともに国門・函谷関で迎え撃つ。
馬陽の戦いで秦は大将軍・王騎を失った。それから3年、王騎の思いを継いだ信は千人将に昇格している。
そこに趙の宰相・李牧(小栗旬さん)の策略が炸裂する。秦以外の全ての国が手を結び、秦は国家滅亡の危機に追い込まれる。首都・咸陽の王宮では嬴政を中心に対応に追われることになる。
函谷関には麃公、蒙武、騰、王翦、桓騎といった秦を代表する将軍たちが集結。対する合従軍は、楚の春申君を総大将に、祖国を秦に蹂躙された恨みを抱く趙の猛将・万極ら各国の強者が集う。
「合従軍」という言葉、初見だと読み方で止まるやつ。がっしょうぐんだ。「一国じゃ秦に勝てないから、全員でまとめて潰そう」という同盟軍のこと。
中華のほぼ全部が敵、という状況の分かりやすさが最高なんだよな。敵の数がそのまま緊張感になる構図は、映画という尺の中では相当に強い。

『魂の決戦』は原作どこまで?何巻相当かを整理する
先に答え。公式のあらすじと予告映像から判断する限り、今作の中心は合従軍編の「函谷関の攻防」だ。合従軍編は原作単行本でおおむね25巻前後から始まる長編にあたる。
ただしここは正直に書く。原作の巻数対応はあくまで「おおよそ」であり、どの戦いをどこまで描いて幕を閉じるかは、本記事執筆時点(公開初日・未見)では断定できない。合従軍編は関所の攻防だけで終わる話ではないからだ。
もう一つ、原作既読の人が引っかかるポイントがある。原作では王騎の矛を受け取った後、まず「山陽の戦い(秦vs.魏)」がある。
今作は公式あらすじと予告に山陽の戦いへの言及が確認できないため、そこを経ずに函谷関へ進む構成だと推測される(※未見時点の推測。実際の構成は本編で確認してほしい)。
俺はここが最大の注目点だと思っている。山陽って、蒙恬・王賁という同世代ライバルの初登場回であり、河了貂が飛信隊の軍師になる回でもある。
そこをどう補完して函谷関に持ち込むのか。予告を何度も見返したが、この処理は劇場で確かめるしかない。
キャストは?続投12名+新キャスト20名を一覧で
新キャストの発表は3月26日・3月31日・4月3日の3週連続。正直、情報が渋滞していた。
主要キャスト(続投・秦国)
| 役名 | キャスト |
|—|—|
| 信 | 山﨑賢人さん |
| 嬴政 | 吉沢亮さん |
| 河了貂 | 橋本環奈さん |
| 羌瘣 | 清野菜名さん |
| 李牧 | 小栗旬さん |
| 昌平君 | 玉木宏さん |
| 呂不韋 | 佐藤浩市さん |
| 騰 | 要潤さん |
その他の続投組は、壁=満島真之介さん、尾平=岡山天音さん、昌文君=髙嶋政宏さん、肆氏=加藤雅也さん。加えて、シリーズで麃公を演じてきた豊川悦司さんも初日舞台挨拶に登壇予定だ(今作での役柄について公式の個別発表は確認できていないため、ここでは登壇者としての事実に留める)。
新キャスト(秦軍側・3月26日解禁)
| 役名 | キャスト |
|—|—|
| 蒙恬 | 志尊淳さん |
| 王賁 | 神尾楓珠さん |
| 桓騎 | 坂口憲二さん |
| 王翦 | 谷田歩さん |
| 蒙驁 | 坂東彌十郎さん |
| 張唐 | 橋本さとしさん |
| 蔡沢 | 笹野高史さん |
新キャスト(合従軍側・3月31日解禁)
| 役名 | キャスト |
|—|—|
| 春申君(合従軍総大将) | 斎藤工さん |
| 万極 | 山田裕貴さん |
| 汗明 | 勝矢さん |
| 媧燐 | 三吉彩花さん |
| 呉鳳明 | 田中圭さん |
| 慶舎 | 中村蒼さん |
| 臨武君 | 一ノ瀬ワタルさん |
| 白麗 | 三山凌輝さん |
| 項翼 | 結木滉星さん |
| 成恢 | 渋谷謙人さん |
| オルド | 宍戸開さん |
さらに4月3日には、嬴政を支える宮女・向役に蒔田彩珠さん、その友人の宮女・陽役に山下美月さんが決定。向について同日の公式発表は、嬴政を慕う純粋な女性であり物語の行方を大きく左右する重要人物だと説明していた。原作既読の人はこの一文の重さを分かってくれると思う(※これ以上は未読の人のために伏せる)。
ここで一段深く読みたいのが、解禁の順番だ。秦軍7名の翌週に合従軍10名を「まとめて」出してきた。
普通なら主役側を小出しにして引っ張るところを、敵側を一気に立ち上げた。これは興行設計として「群像で押す作品ですよ」という宣言に近いと個人的には感じている。50万の軍勢は数字だけでは怖くない。名前と顔がついて初めて恐怖になるからだ。
万極役の山田裕貴さん(3月31日解禁)は、もう俺の中で優勝が確定している。同日の公式発表では復讐の化身とも狂気の猛将とも表現されていたキャラで、予告映像で万極が映った瞬間の、あの目の据わり方。それだけで「本気の配役だ」と理解した。
あと個人的にニヤっとしたのが臨武君役の一ノ瀬ワタルさん。1作目『キングダム』では山の民の戦士「タジフ」を演じていた人だ。シリーズを追っていると、こういう再登板が妙に嬉しくなる。
主題歌は米津玄師「夜鷹」|曲がタイトルを変えた話
この章の要点。主題歌は米津玄師さんの書き下ろし「夜鷹」で、2026年5月27日に発表。そしてこの曲が、映画のサブタイトルそのものを変えた。
7月13日には米津さん本人が描き下ろしたジャケットが公開、7月14日にはコラボ撮影フレームとTikTokエフェクトも解禁された。
5月27日の解禁時に公式が公表した米津さんのコメントが良くて、映画キングダムを「年に一度みんなを晴らす祭り」と表現したうえで、不器用なりにもまっすぐ邁進していく信に幸あれ、と結んでいる。信というキャラの本質を、短い一文で言い切っている。
同じく公式が出した佐藤信介監督のコメントも刺さった。監督は完成した「夜鷹」を初めて聴いた時、曲の切なさの中に「敵同士で戦う者が抱える同じ傷、同じ痛み」を受け取って感動した、と語っている(鉤括弧内が引用部分。以下は要約だ)。
監督はさらに、夜鷹とは孤独な魂の化身であり、互いを傷つけ合う孤独な者たちの叫びが映画の余韻に響く、という趣旨のことを述べている。
そしてここが一番デカい話だ。松橋真三プロデューサーが同時期の公式コメントで明かしたところによると、当初のサブタイトルは『史上最大の決戦』になる予定だったという。それが「夜鷹」を聴いたことがヒントになり、『魂の決戦』に変更された。
主題歌がタイトルを変えたんだぞ。普通、逆だろう。タイトルが決まってから曲を発注するものだろう。
つまりこの映画は、「史上最大」というスケールの話から、「魂」という内面の話にタイトルの重心を移した。50万vs秦という数字のインパクトを捨ててまで「魂」を選んだわけだ。
この一点だけで、俺は今作が単なる大合戦映画じゃないと確信している。
IMAX・4DX・SCREENXどれで観るべき?上映方式まとめ
結論から。初日から観られるのはIMAX・MX4D・4DXの3方式。SCREENX・ULTRA 4DX・Dolby Cinemaは7月24日(金)からだ。
| 上映方式 | 開始日 | 向いている人 |
|—|—|—|
| IMAX | 7月17日(初日) | 函谷関のスケールを「精度」で味わいたい人 |
| MX4D | 7月17日(初日) | 騰の剣戟の重みを体で浴びたい人 |
| 4DX | 7月17日(初日) | 戦場の風・振動込みで没入したい人 |
| SCREENX | 7月24日(金) | 左右の壁まで拡張。「壁」がテーマの本作と相性◎ |
| ULTRA 4DX | 7月24日(金) | 大画面+体感演出の合わせ技 |
| Dolby Cinema | 7月24日(金) | 静かな場面の質感・暗部の階調を取りたい人 |
IMAXは6月8日に発表され、IMAX用のポスタービジュアルも同時解禁された。無数の敵襲が押し寄せる中、巨大な函谷関を背に馬上で剣を振りかざす信の姿。あれを見た瞬間、俺の予約指が勝手に動いた。
4DX/MX4Dについては6月24日の公式発表が具体的で、要潤さん演じる騰の戦闘シーンではスピード感のあるモーション演出、信と万極の激闘では剣戟の衝撃や打撃の重みまで表現されるとのこと。
騰の「ファルファル」と評される剣捌きを、座席の可動で味わえるということだ。ズルいだろそれ。
なお料金・上映スケジュールは劇場ごとに異なり変更もあり得るので、最新は各劇場の公式で確認してほしい。
また7月17日からは『HELLO! MOVIE』方式による視覚障がい者用音声ガイドと聴覚障がい者用日本語字幕にも対応する(7月2日の公式サイト発表)。こういうところを毎回きっちりやってくるの、地味だけど誠実で好きだ。
前売券・パンフレット・入場者特典はどうなってる?
先に答え。公開初日以降は前売券(ムビチケ)の販売が終了している場合が多く、以降は通常の劇場チケットでの鑑賞になるのが一般的だ。
入場者特典(来場者特典)については、シリーズ作品では配布時期ごとに内容が切り替わる運用が定番になっている。ただし今作の特典内容・配布開始日・対象劇場について、本記事執筆時点で公式の詳細を確認できていないため、断定は避ける。
特典は劇場ごとに在庫が異なり、配布状況も日々変わる。必ず公式サイトと各劇場の告知で最新情報を確認してほしい。 ここを断言する記事はだいたい信用しないほうがいい。
確定情報として書けるのはパンフレットだ。価格は1,100円(税込)、A4横・全60Pで、函谷関攻防戦を徹底解説する内容とされている。俺はもう買う気しかない。
公開までの情報解禁スケジュールは?約1年で15回超
正式発表から公開日まで、約1年。その間の主な解禁は15回を超えた。
| 日付 | 解禁内容 |
|—|—|
| 2025年7月11日 | 山﨑賢人さんが第5弾の制作を正式発表/スーパーティザー映像 |
| 2026年3月12日 | タイトル『魂の決戦』と公開日7月17日を解禁/特報・ビジュアル |
| 3月26日 | 秦軍の新キャスト7名を解禁 |
| 3月31日 | 合従軍の新キャスト10名を解禁 |
| 4月3日 | 宮女2名(向=蒔田彩珠さん/陽=山下美月さん)を解禁 |
| 4月19日 | 新ビジュアル、シリーズ初のシネマコンサート情報、原泰久先生コメント |
| 5月21日 | 場面写真12点を公開 |
| 5月27日 | 主題歌「夜鷹」発表/最新予告 |
| 6月2日 | ワールドプレミア開催 |
| 6月8日 | IMAX上映決定/IMAXポスタービジュアル解禁 |
| 6月24日 | ラージフォーマット全方式と決戦ビジュアル解禁 |
| 7月2日 | バリアフリー上映(HELLO! MOVIE対応)発表 |
| 7月3日 | 前夜祭IMAX一挙上映会の実施を発表 |
| 7月9日 | 初日舞台挨拶の詳細を発表 |
| 7月13日 | 米津玄師さん描き下ろしジャケット公開 |
| 7月14日 | コラボ撮影フレーム/TikTokエフェクト公開 |
※6月2日のワールドプレミア、および4月19日解禁のシネマコンサートについては、本記事執筆時点で会場・登壇者・実施日程などの詳細を確認できていない。ここでは「実施された/企画されている」という事実のみに留め、続報を待ちたい。書けないことを想像で埋めるのは、この記事でやりたくない。
原作は2026年3月時点で単行本78巻、累計発行部数1億2千万部を突破。これは集英社青年マンガ史上初の数字で、今年が連載20周年にあたる。20周年に合従軍編の映画化をぶつけてくる座組、完璧すぎないか。
なお7月17日の初日舞台挨拶はTOHOシネマズ 六本木ヒルズ、16:00の回の上映終了後(7月9日の公式発表)。山﨑賢人さん、吉沢亮さん、橋本環奈さん、志尊淳さん、神尾楓珠さん、山田裕貴さん、三吉彩花さん、坂口憲二さん、豊川悦司さん、要潤さん、小栗旬さん、佐藤信介監督が登壇予定だ。
前夜祭IMAX一挙上映に行ってきた(ネタバレなし)
7月16日、前夜祭が開催された。『キングダム2』『運命の炎』『大将軍の帰還』の過去3作IMAX上映+最新作の最速上映、終映26時30分頃という狂気のスケジュール。登壇は山﨑賢人さん、岡山天音さんら。
俺は実際に行ってきたので、ネタバレなしの範囲で書いておく。
まず、過去3作を連続でIMAXで浴びるという行為が、想像の3倍しんどくて3倍幸せだった。
特に『大将軍の帰還』の終盤、王騎の最期の場面でのIMAXの低音。あれ、客席の座面まで振動が来るんだよな。
20時台の回だったのに、隣の人がハンカチを出す音が聞こえた。物理的に音が聞こえるレベルで場内が静かだった、ということでもある。

そこから休憩を挟んで最新作へなだれ込む流れが、構成として反則だった。
王騎を看取った直後の客席に「3年後」を叩き込むわけで、場内の空気が明らかに切り替わったのを覚えている。
終映26時30分、誰も席を立たなかった。エンドロールで「夜鷹」が流れ始めた瞬間の、あの一斉に息を止めたような静けさ。
あれを味わえただけで前夜祭に行った価値があった。過去作を並べてから新作を見せるという体験設計そのものが、今作のテーマと噛み合っていたと思う。
見どころ・注目ポイントは?【筆者考察】
ここからは私見だ。事実と分けて読んでほしい。この章は一人称を「筆者」で統一する。熱で流さずに書きたいからだ。
筆者が今作を「シリーズの分水嶺」だと考える理由は4つある。
1つ目は、タイトル変更の経緯だ。 前述のとおり、松橋Pは当初『史上最大の決戦』を予定していたが「夜鷹」を聴いて『魂の決戦』に変えたと明かしている。製作側が「規模」より「情念」を選んだ、ということだ。
50万という数字を看板から降ろす決断は、かなり勇気がいる。キングダム映画の集客の武器は、間違いなく「圧倒的な物量のビジュアル」だったからだ。それを承知で「魂」に寄せた。今作は合戦アクションではなく人間ドラマとして勝負をかけに来ていると筆者は考えている。
2つ目は、万極というキャラクターの立ち位置だ。 佐藤監督は公式コメントで、この物語には正義と悪では回収できない闇が影を落としており、怨讐の連鎖が戦いを単純に割り切れないものにする、という趣旨を語っている。
万極は、秦に祖国を蹂躙された側の人間だ。つまり信たちが背負う「中華統一」という大義の、裏側にいる犠牲者でもある。
これまでのシリーズは、王騎という圧倒的な「憧れ」を軸に走ってきた。だが今作は、自分たちの正義が誰かの地獄だったという事実を信に突きつける構造になっているように見える。ヒーロー映画としては相当に重い舵の切り方だ。
3つ目は、世代交代のタイミングだ。 蒙恬・王賁という同世代のライバルが初登場し、王騎はもういない。信が「憧れる側」から「並び立つ側」に移る一作になる、と筆者は見ている。
4つ目は、業界文脈だ。 漫画実写化は長らく「当たらない」「原作改変で燃える」と言われ続けてきたジャンルだ。
もちろん複数作続いた邦画実写シリーズは他にもある。『るろうに剣心』や『銀魂』のように、続編・完結編まで到達した成功例は実在する。ただし5作を重ねてなお邦画実写年間No.1を複数回取り続けた例となると、筆者が思い浮かべられるものはほとんどない。
ではなぜキングダムだけが伸び続けたのか。筆者が挙げたい要因は3つある。
- 監督が全作同じ:佐藤信介さんが1作目から5作目まで一貫して指揮を執っている。実写化の炎上の多くは「原作理解のブレ」から生まれるが、その入り口が固定されている
- 原作者が脚本に入っている:原泰久先生が黒岩勉さんと共同脚本。原作サイドが当事者なので、改変が「外部からの改悪」になりにくい
- 歴史考証を外部専門家に委ねている:秦研究で知られる鶴間和幸先生が監修に関わっているとされる(シリーズの公式クレジット・関連書籍で言及されている情報にもとづく)。紀元前241年の函谷関という史実の骨に乗せている
この3点は、実写化企画としてはコストも手間もかかる選択だ。だが結果として「漫画原作だから」と見下されない地盤になった。キングダムが5作続いた最大の理由は俳優の顔ぶれではなく、この体制の一貫性だと筆者は考えている。
一方で、懸念もある。山陽の戦いを経ずに函谷関へ進む構成(※前述のとおり推測)だとすると、蒙恬・王賁と信の関係性を積み上げる時間が足りるのか。
134分の尺で、合従軍の各国将軍を紹介しつつ、若手3人の温度感まで描き切るのは相当な難易度だ。ここを佐藤監督が処理できるなら「実写化の技術」がまた一段上がったことになるし、逆に評価が割れる最大のポイントにもなると筆者は予想している。
第6弾以降の見通しについても書いておく。 合従軍編は函谷関の攻防だけで終わる話ではなく、原作では別の局面へ続いていく長編だ。
そのため今作が合従軍編を完結させるのか、それとも次作へ引き継ぐのかは、興行的にも作劇的にも大きな分岐になる。筆者としては、これまでのシリーズが「1作=1つの戦い」を丁寧に切り取ってきた設計から見て、合従軍編を複数作にまたがせる可能性は十分あると考えている。ただし続編の有無は公式発表がない以上、あくまで見立てにすぎない。
補足として、公開前の指標に「第1回映画館大賞」がある。映画館スタッフの投票で選ばれる賞で、今作は日本映画部門のイチオシで2位を獲得したと発表されている(第1回のため過去の傾向と比較できる材料はまだ無い)。作品を売る現場の人間が公開前に推している事実は、興行のシグナルとしては軽くないと筆者は考えている。
まとめ:キングダム映画の最新作は2026年7月17日公開『魂の決戦』
キングダム映画の最新作はシリーズ第5弾『キングダム 魂の決戦』。2026年7月17日(金)公開、134分、G。監督は佐藤信介さん、主演は山﨑賢人さん、主題歌は米津玄師さんの「夜鷹」。
描かれるのは合従軍編。李牧の策により総数50万の合従軍が秦へ侵攻し、信は蒙恬・王賁とともに函谷関へ向かう。
IMAX・MX4D・4DXは初日から、SCREENX・ULTRA 4DX・Dolby Cinemaは7月24日から。過去4作の累計動員は1,734万人、興行収入245億円。原作は連載20周年、累計1億2千万部突破という節目の年だ。
よくある質問
キングダム映画の最新作はいつ公開?
2026年7月17日(金)に全国公開です。IMAX・MX4D・4DXは初日から、SCREENX・ULTRA 4DX・Dolby Cinemaは7月24日(金)からの上映予定です。上映劇場・方式・料金は変更の可能性があるため、最新は公式サイトや各劇場でご確認ください。
『キングダム 魂の決戦』の上映時間は?レーティングは?
上映時間は134分、レーティングはGです。IMAXやSCREENXなど方式によって本編の長さが変わることはありません。
『魂の決戦』は原作どこまで?何巻相当?
公式のあらすじと予告から判断する限り、中心となるのは合従軍編の函谷関の攻防です。合従軍編は原作単行本でおおむね25巻前後から始まる長編にあたりますが、今作がどこまで描くかは公式に明示されていないため、断定はできません。
キングダム映画は順番に観るべき?
前作は2024年公開の『キングダム 大将軍の帰還』で、今作はその3年後の物語から始まります。順番に観ていなくても本編の説明で追えるように作られていると筆者は感じていますが、王騎から矛を受け継ぐ4作目のラストを知っていると、信の重みが段違いになるのは間違いありません。
合従軍(がっしょうぐん)って何?
秦以外の六国――楚・趙・魏・韓・燕・斉が同盟を結んで結成した、打倒秦のための連合軍です。総数50万。総大将は楚の春申君(斎藤工さん)で、策を巡らせているのが趙の李牧(小栗旬さん)。作中で描かれる函谷関の戦いは、紀元前241年の出来事にあたります。
さて、ここまで読んでくれてありがとう。
「夜鷹」がタイトルを変えたという話を知ってから、俺の中でこの映画の見え方が完全に変わってしまった。あれはただの主題歌じゃない。作品の骨格を書き換えた曲だ。
観てきた人、これから観る人、どっちも感想を聞かせてほしい。特に「どのシーンで持っていかれたか」を教えてくれ。俺は万極が映るたびに息を止めていた側の人間なので、そこで語り合える相手を探している。
佐藤晴人でしたッ!またな!
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